根本的で基本的な事ですが、サドとマゾに付いて改めて真剣に、真面目に考えてみたいと思います。
サディズム(Sadismus)やマゾヒズム(Masochismus)と言った言葉は、ドイツのRichard von Krafft-Ebing/エビング男爵という精神科医による造語で、彼の著書に記載されたのが発端となる精神医学用語です。
世界保健機構(WHO)による疾病及び関連保健問題の国際統計分類(略称:ICD)第10版には以下の記載があります。
第5章 精神および行動の障害
1-7 成人の人格及び行動の障害
F65 性嗜好障害
F65.5 サドマゾヒズム
日本では総務庁告示及び厚生労働省の規定により、このICD第10版を採用し分類しています。
しかしアメリカでは事情が異なり、WHOとは別にアメリカ精神医学会が独自に作成した Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (略称:DSM) という精神障害の診断と統計の手引きがあり、1987年版DSM-III-Rにはサディズムが精神障害として診断方法と伴に記載されていますが、次の1994年版DSM-IVで削除され、最新版DSM-5が今年2013年に発表されましたが、サディズムは削除されたままとなり、1994年以降のアメリカではサディズムの定義が曖昧(又は未定義)な状態が続いている様です。1994年の改訂ではWHOのICDとの整合性をとるための改訂のハズですがICDに記載のあるサドマゾに付いてDSMでは削除されたのはアメリカらしい事情が有るのではないかと推測します(例えばサディストである事を公言すると精神病院に強制的に入院させられてしまうので困る人々が居るから・・・など)。
さて、以下では、可能な限り短い文章で、かつ可能な限り的確にサド・マゾを説明してみます。
※この頁には元々、思慕、畏怖、愛玩などの感情に付いて上手く表現できていない旨を記載しておりましたが、愛慾という言葉を追記する事で上手く表現できたと思っています。
サド:
1)Donatien Alphonse François de Sade/Marquis de Sade/マルキ・ド・サド/サド侯爵本人
2)加虐性欲者/加虐愛慾者
(精神的 and/or 肉体的)苦難を与える事で性的に興奮,或いは愛慾的に喚起される人
3)フロイト説
自分自身にされるだろうと恐れていることを他者にすることができるときのみ性的喜びを遂げることが出来る人
サディズム:
1)加虐性欲/加虐愛慾(サドの項を参照)
サディスト:
1)加虐性欲者/加虐愛慾者(サドの項を参照)
サディスティック:
1)加虐性欲的/加虐愛慾的な様子・表現・ニュアンス
真性サディスト:
1)疑いようのないサディスト
2)強烈なサディスト、ハードな加虐を好むサディスト
ドS:
1)強烈なサディスト、真性サディスト
2)SMに詳しくない人が攻撃的・能動的な人に使う形容詞(形容動詞/ナ形容詞)
S:
1)サディスト
2)SMに詳しくない人が攻撃的・能動的な人に使う形容詞(形容動詞/ナ形容詞)
マゾ:
1)Leopold Ritter von Sacher-Masoch/レオポルト・フォン・ザッハ=マゾッホ/マゾッホ伯爵本人
2)被虐性欲者/被虐愛慾者
(精神的 and/or 肉体的)苦難を受ける事で性的に興奮,或いは愛慾的に喚起される人
3)フロイト説
性交についての不安や罪意識によってオーガズムが妨げられており、それらが自身の苦痛や罰によって軽減される人
マゾヒズム:
1)被虐性欲/被虐愛慾(マゾの項を参照)
マゾヒスト:
1)被虐性欲者/被虐愛慾者(マゾの項を参照)
マゾヒスティック:
1)被虐性欲的/被虐愛慾的な様子・表現・ニュアンス
真性マゾヒスト:
1)疑いようのないマゾヒスト
2)強烈なマゾヒスト、ハードな被虐を好むマゾヒスト
ドM:
1)強烈なマゾヒスト、真性マゾヒスト
2)SMに詳しくない人が被虐的・受動的な人に使う形容詞(形容動詞/ナ形容詞)
M:
1)マゾヒスト
2)SMに詳しくない人が被虐的・受動的な人に使う形容詞(形容動詞/ナ形容詞)
--定義はここまでとして、以下、解説の様な脳内垂れ流し--
注意すべきは、視点によって解釈が異なる事だと思います。
同じ物や同じ行為であっても、それを見る人の視点によってサディスティックにもマゾヒスティックにも或いはSMではない虐待や暴力として映ることにも成り得ると言う事です。
私に寄せられる相談のなかに「『お前はMじゃない、Mとはこういうものだ』と言われたのですが、それが出来ない私はMじゃないのでしょうか?」とか「『苦痛系ですか?服従系ですか?』と聞かれてよく判らなかったのですが、私はどっちですか?」といった相談がありますが、はっきり言って第三者によるそういった投げかけはM女性が混乱し変な影響を与えてしまうだけで百害有って一利無しです。
重要な事は、当事者本人が加虐や被虐によって性的に興奮,或いは愛慾的に喚起される事が条件ですから、
1)愛を伴わない性欲だけのSMもある
2)一方的なサドや、一方的なマゾもある
3)本人がSMだと感じても第三者視点でそうとは限らない(逆も然り)
4)サドとマゾの両方の資質を同時に兼ね備える場合もある
という事に成り、本人ではない第三者の意見は全く関係ありません。
自虐行為を行う人は、両方の資質を備えている可能性が高いと思います。もしくは元々マゾヒストであった人が、責められたい衝動に駆られてやむなく別人格を自己の中に作り出してしまった可能性もありそうです。
一方的なサドは性犯罪者として実刑の対象に成り得る点で、最もアウトロー的と言えそうです。
一方的なマゾは公衆の面前で猥褻物を披露したり、一方的に主と決めた相手をストーカーしない限り違法性は無さそうです。
別の視点からは、例えば、好戦的で攻撃的な人であっても性的或いは愛慾的にはマゾである可能性が有り、逆も然り、平和的で穏健的な人であっても性的或いは愛慾的にはサドである可能性もありそうです。例えば前者は反撃や罰を期待して攻撃してしまうM、後者は自分への攻撃を恐れて自制的・穏健的に振る舞い、その捌け口としてサディストに変貌するといった事が有り得ると思います。
サディズム(Sadismus)やマゾヒズム(Masochismus)と言った言葉は、ドイツのRichard von Krafft-Ebing/エビング男爵という精神科医による造語で、彼の著書に記載されたのが発端となる精神医学用語です。
世界保健機構(WHO)による疾病及び関連保健問題の国際統計分類(略称:ICD)第10版には以下の記載があります。
第5章 精神および行動の障害
1-7 成人の人格及び行動の障害
F65 性嗜好障害
F65.5 サドマゾヒズム
日本では総務庁告示及び厚生労働省の規定により、このICD第10版を採用し分類しています。
しかしアメリカでは事情が異なり、WHOとは別にアメリカ精神医学会が独自に作成した Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (略称:DSM) という精神障害の診断と統計の手引きがあり、1987年版DSM-III-Rにはサディズムが精神障害として診断方法と伴に記載されていますが、次の1994年版DSM-IVで削除され、最新版DSM-5が今年2013年に発表されましたが、サディズムは削除されたままとなり、1994年以降のアメリカではサディズムの定義が曖昧(又は未定義)な状態が続いている様です。1994年の改訂ではWHOのICDとの整合性をとるための改訂のハズですがICDに記載のあるサドマゾに付いてDSMでは削除されたのはアメリカらしい事情が有るのではないかと推測します(例えばサディストである事を公言すると精神病院に強制的に入院させられてしまうので困る人々が居るから・・・など)。
さて、以下では、可能な限り短い文章で、かつ可能な限り的確にサド・マゾを説明してみます。
※この頁には元々、思慕、畏怖、愛玩などの感情に付いて上手く表現できていない旨を記載しておりましたが、愛慾という言葉を追記する事で上手く表現できたと思っています。
サド:
1)Donatien Alphonse François de Sade/Marquis de Sade/マルキ・ド・サド/サド侯爵本人
2)加虐性欲者/加虐愛慾者
(精神的 and/or 肉体的)苦難を与える事で性的に興奮,或いは愛慾的に喚起される人
3)フロイト説
自分自身にされるだろうと恐れていることを他者にすることができるときのみ性的喜びを遂げることが出来る人
サディズム:
1)加虐性欲/加虐愛慾(サドの項を参照)
サディスト:
1)加虐性欲者/加虐愛慾者(サドの項を参照)
サディスティック:
1)加虐性欲的/加虐愛慾的な様子・表現・ニュアンス
真性サディスト:
1)疑いようのないサディスト
2)強烈なサディスト、ハードな加虐を好むサディスト
ドS:
1)強烈なサディスト、真性サディスト
2)SMに詳しくない人が攻撃的・能動的な人に使う形容詞(形容動詞/ナ形容詞)
S:
1)サディスト
2)SMに詳しくない人が攻撃的・能動的な人に使う形容詞(形容動詞/ナ形容詞)
マゾ:
1)Leopold Ritter von Sacher-Masoch/レオポルト・フォン・ザッハ=マゾッホ/マゾッホ伯爵本人
2)被虐性欲者/被虐愛慾者
(精神的 and/or 肉体的)苦難を受ける事で性的に興奮,或いは愛慾的に喚起される人
3)フロイト説
性交についての不安や罪意識によってオーガズムが妨げられており、それらが自身の苦痛や罰によって軽減される人
マゾヒズム:
1)被虐性欲/被虐愛慾(マゾの項を参照)
マゾヒスト:
1)被虐性欲者/被虐愛慾者(マゾの項を参照)
マゾヒスティック:
1)被虐性欲的/被虐愛慾的な様子・表現・ニュアンス
真性マゾヒスト:
1)疑いようのないマゾヒスト
2)強烈なマゾヒスト、ハードな被虐を好むマゾヒスト
ドM:
1)強烈なマゾヒスト、真性マゾヒスト
2)SMに詳しくない人が被虐的・受動的な人に使う形容詞(形容動詞/ナ形容詞)
M:
1)マゾヒスト
2)SMに詳しくない人が被虐的・受動的な人に使う形容詞(形容動詞/ナ形容詞)
--定義はここまでとして、以下、解説の様な脳内垂れ流し--
注意すべきは、視点によって解釈が異なる事だと思います。
同じ物や同じ行為であっても、それを見る人の視点によってサディスティックにもマゾヒスティックにも或いはSMではない虐待や暴力として映ることにも成り得ると言う事です。
私に寄せられる相談のなかに「『お前はMじゃない、Mとはこういうものだ』と言われたのですが、それが出来ない私はMじゃないのでしょうか?」とか「『苦痛系ですか?服従系ですか?』と聞かれてよく判らなかったのですが、私はどっちですか?」といった相談がありますが、はっきり言って第三者によるそういった投げかけはM女性が混乱し変な影響を与えてしまうだけで百害有って一利無しです。
重要な事は、当事者本人が加虐や被虐によって性的に興奮,或いは愛慾的に喚起される事が条件ですから、
1)愛を伴わない性欲だけのSMもある
2)一方的なサドや、一方的なマゾもある
3)本人がSMだと感じても第三者視点でそうとは限らない(逆も然り)
4)サドとマゾの両方の資質を同時に兼ね備える場合もある
という事に成り、本人ではない第三者の意見は全く関係ありません。
自虐行為を行う人は、両方の資質を備えている可能性が高いと思います。もしくは元々マゾヒストであった人が、責められたい衝動に駆られてやむなく別人格を自己の中に作り出してしまった可能性もありそうです。
一方的なサドは性犯罪者として実刑の対象に成り得る点で、最もアウトロー的と言えそうです。
一方的なマゾは公衆の面前で猥褻物を披露したり、一方的に主と決めた相手をストーカーしない限り違法性は無さそうです。
別の視点からは、例えば、好戦的で攻撃的な人であっても性的或いは愛慾的にはマゾである可能性が有り、逆も然り、平和的で穏健的な人であっても性的或いは愛慾的にはサドである可能性もありそうです。例えば前者は反撃や罰を期待して攻撃してしまうM、後者は自分への攻撃を恐れて自制的・穏健的に振る舞い、その捌け口としてサディストに変貌するといった事が有り得ると思います。
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