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龍之巣
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Cheri Herouard
Chéri Hérouard (1881 - 1961) (今から100年程前に活躍したフランスの画家/イラストレータ、主に La Vie Parisienne 誌で活躍、当時のイラストが奇譚クラブの表紙絵として多数採用されていた、責め絵で有名な伊藤晴雨(1882 - 1961)と生没及び活躍年代がほぼ同じ) に付いて、主にSM画をネットで集めてみました。

彼はコミック形式の絵と文章を織り交ぜストーリー仕立てにした出版物のパイオニアとしても知られていた様です。
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余談ですが畔亭数久は、彼の画風のみならずコミック形式も真似ており、彼の作品と同様に吹き出しではなく欄外に台詞を記載した漫画を奇譚クラブに寄稿しています。

ここから本題に入りますが、彼はSM画を描く際にHerricというペンネームを使って他の仕事と区別していた様です(下図参照)。
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100年前、既にSM漫画の原型とも言える物(但しSM画はマンガの様な体裁にはされていなかった様ですが)がここまでの完成度で存在していた事に驚愕します。この当時、日本は明治~大正時代であり艶本の様な文化が既に日本にも有りましたが、印刷・製本の技術を残して時代と伴にその中身(文化・コンテンツ)は忘れ去られ、こういった西洋の文化・コンテンツに入れ替えられていった様に思います。

Chéri Hérouard の描くSM画の傾向として鞭打ちやスパンキング等の打撃系が多く、打撃部位が殆ど尻に限定しており、他の絵やイラストと異なり男性は殆ど登場せず、また、メイドが多数登場するのも特徴と言えます。但し、ネットで拾った画像を並べてそう感じただけの事で、実際にはもっと多種多様の責絵が有るのかもしれません(つまりネットにアップした人物の趣味趣向が女同士かつ打撃系が好きだっただけという可能性もあります)
※下の画像は適当に拾ってきたので、もしかしたら別の画家の絵が混じっているかもしれません(とは言え画風や特徴等から恐らく全て本人の作ではないかと思われます)。

●ストックウィップ
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左側の4枚は良いとして、一番右の絵は鞭を振り下ろす位置に無理が有りますね。一番右は構図として若干失敗している感があります。但し、メイドが鞭の扱いに慣れていないことを表現しているのかもしれず、ストーリーを付ければ失敗どころか正確な描写とも言えそうです。左から2番目は高確率で自分自身の足に鞭の先端が当たる気がしますが、熟練者ならそんな心配も不要でしょう。

●短鞭
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左の絵は下敷きにされている女性が鞍(又は鞍褥)として固定され馬の尻と尻を並べている格好が奇抜で好きです。右の絵は黒い衣装を着せた女性が青毛の馬役なのかもしれませんね。

●キャットオブナインテイル(左)/バラ鞭(右)
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ありがちな構図なので特にコメントは有りません。

●ベルト
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バックル側を先端にして振りかざしている為、危険というか強烈でしょう。バックルの尖った先端が突き刺さり一発目で流血沙汰に成る可能性もありますので真似されない様に(バックル側を持ちましょう)・・・

●バーチング (Birching)
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素材は恐らく樺や柳の枝を束ねたもので、恐らく棘の有る状態で乾燥させて束ねた物ではないかと思います。使用時には塩水に漬けてから使う事も多く、打撃による直接の痛みではなく、棘による細かな無数の刺激と、その後に襲って来る細かな裂傷からくる痛痒さを狙った責めではないかと思われます。

●ハンドスパンキング
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一番右の絵はスパンキングではなく単にエロオヤジがスカートを捲って下着を覗いているだけかもしれませんが、スタイルとしてはOTK(Over the Knee)の導入部分の様に見えた為、掲載しました。

●拘束具
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●吊り
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●浣腸又は膣内洗浄か?それともローション注入?
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これがもしローション注入とするなら、あまり好きではないが家柄が目当てで嫁いだ先でメイドに指示して入れさせているようなシーンかもしれません。但し、それにしては器具が大き過ぎるので、やはり浣腸又は膣内洗浄でしょう。膣内洗浄とするなら洗浄液の受け皿やタオルが描かれていませんので、残るは浣腸という事に成りそうです。浣腸とするなら便秘解消の為に女性本人がメイドに指示してやらせていると思われ、いづれにしろ、男性はそれを壁の穴から覗いているという事ではないでしょうか?

●女主人と奴隷
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●その他
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一番右のイラストはSMと言えるかどうか微妙ですが、正座した女性が中腰で目の前に立っている女性の菊座に息を吹きかけているシーンの様に見えます。正座した女性(又は彼女に命令した人物)が相手の菊座がヒクヒクするのを見て楽しんでいるとするなら私の大好きな分野です。残念なのは立っている女性の表情に恥ずかしさがあまり表れていない事です。他にどんなシーンが想定されるでしょうか?あとはこの時の台詞次第ですね・・・

●乗馬
SMとは直接関係ありませんが、なかなか正確に馬装と馬の表情を描いているので掲載してみました。乗馬に深く関っていないと、ここまで正確に馬装や表情を描く事は難しいと思います。
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大勒・水勒(小勒)をセットにした頭絡にアマゾン鞍、水勒手綱にはマルタンガールが取り付けられており、大勒手綱のみを片手手綱でルーズに持ち、もう片方の手で猟騎鞭を持ち正装をしている事から、恐らく狐狩りの前にリラックスして何かを待ちつつイヌの様子を見ている風景ではないでしょうか?野外騎乗で大勒をルーズに持つ手法はウエスタンでは一般的ですが、狐狩りの様な激しい運動を長時間する際にも同様の手綱捌きが有効なのは容易に想像出来ます。戦前の騎兵隊の写真を見た事が有りますが同様に大小付けて乗っており、大勒手綱のみを片手手綱でルーズに持っていましたので、野外騎乗で大小付ける時はこういった握り方が一般的だったのかもしれません(私は馬場内でしか大小付けた事がありません。野外はウエスタンの馬装でルーズレインにするか、水勒でタイトに口当たりを探ります、但し長時間の野外で水勒は精神的に疲れます)。後ほど文献など漁ってみようと思います。馬の耳が前方を向いておりますので、馬は若干緊張しながら周囲(特に前方数m~数十m先)に気を配っている様です。ここまで正確だと写真をトレーシングペーパーの様な物で丁寧に転写したのかもしれませんね。
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